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アキレス腱部分断裂の原因と症状・治療方法についての解説

◆アキレス腱断裂対処法・処置法

◆アキレス腱断裂の症状別グレード

アキレス腱断裂は中高年に多く発症する障害です。

 断裂のグレードとして
・新鮮断裂
・陳旧性断裂
・皮下断裂
・開放性断裂
・完全断裂
・不完全断裂
 の基本的に6段階に症状を分類できます。

 中でも最も多い断裂は新鮮皮下断裂です。

 新鮮皮下断裂とは、部分的に断裂を発症する障害で、その度合いによって治療法も異なります。

 アキレス腱の構造は、踵の骨(踵骨)の先端突起部分に腱が付着し、下腿の筋肉群と連動することで底屈動作を行う仕組みになっております。

 筋肉は収縮を行うことが可能な筋繊維の集まりによる細胞組織。

 対して腱は筋繊維が結合部で交じり合う構造ではあっても原則として自らが伸び縮みすることのない腱組織。

 アキレス腱は外部からの力を受けて反発、いわゆる収縮を行う組織でもある為、怪我をする際は外部からの強い力が加わるといった原因となる現象が必ずあるものです。

 アキレス腱断裂で最も多い症状である新鮮皮下断裂は、ウォーミングアップの不足や長期的に継続して加わる腱の疲労の蓄積が原因ともなる疾患であり適切な対処と治療が治療機関の短縮に繋がります。

◆トンプソンテスト(診断方法)

 アキレス腱断裂の際の自己確認方法として、患部の陥没の確認があげられます。

 また、トンプソンテストにおいて足関節の底屈動作のチェックもあげられます。

 完全断裂を起こしている場合は自分の手の平でアキレス腱が陥没していることに気づくはずです。

 ふくらはぎからかかとにかけて手のひらを当てながら下ろしていくと明らかにぼこっと凹んでいる部分があります。

 最初は痛みはそれほど出てこないのでトンプソンテストによってことの重大さに気づくこともあります。

 尚、第三者がチェックを行う場合は、四つんばいの姿勢をとり底屈動作と背屈動作を確認しながらトンプソンテストを行います。

 アキレス腱が断裂している場合は基本的に底屈に関わる一切の動作が機能しません。

 これは腱の断裂によって踵骨を通じて足間接から先の牽引が行えない状態である為です。

 前項でも解説したとおりアキレス腱は踵骨先端から後面にかけて付着しているため、アキレス腱を断裂するとつま先立ちなどが困難になります。

◆2種類の手術方法の特徴

 アキレス腱断裂の治療方法としては、手術を用いない保存療法と手術療法の2種類の治療法が基本です。

 通常は部分断裂が多いので、縫合手術によって断裂部位を縫合していきます。

 この縫合手術にも皮膚を切開する手術と切開しない手術に分けられます。

【2種類の手術方法の特徴】

 皮膚の切開を伴う手術では、メスを入れアキレス腱を直接縫合する縫合手術を行います。

 多少の負担はともないますが最も確実に腱の再生を図ることが可能で復帰も早くなります。

 対して皮膚を切開しないアキレス腱の手術では皮膚の上からアキレス腱を縫合し安定させます。

 このケースでは人体への負担が少なく、かつギプス固定を行うことで自分の再生能力でアキレス腱の再生を図ることができます。

 近年では皮膚を切開せずに縫合する手術方法も多く行われるようになってきております。

 但し復帰までの期間にゆとりがないようなケースでは、やはり切開を伴うアキレス腱縫合手術を選択したほうが回復は早いと言えます。

◆アキレスの銘名の由来

 アキレス腱の語源・由来をご存知でしょうか?

 余談ですが、アキレス腱は、
●神話アキレウス
 から名前がつけられた組織です。

【神話アキレウス】

 神話アキレウスに登場するアキレスは、無敵の勇者として知られております。

 しかし、唯一の弱点であるアキレス腱を弓で射抜かれてその命を落とします。

 神話の世界では、アキレウスの母が、不死の泉と呼ばれる泉に子供の無事を願ってアキレウスを浸すシーンが登場します。

 しかし、アキレウスを浸す際に握っていた足首の部分=アキレス腱の部分だけ泉に浸ることがありませんでした。

 そのため、アキレス腱が唯一の弱点となってしまったのです。

 数年前、ブラットピットが主役として話題となった映画トロイにおいても、このアキレス腱の神話が登場しております。

 城内へ侵入する際の有名な逸話である「トロイの木馬」でも知られるギリシャ神話の物語です。

 参考までにごらんになられるとより、神話が理解できるかもしれません。

◆アキレス腱と踵骨の疾患

 アキレス腱の疾患に関与する要因として「踵骨」は大きく関与します。

 踵骨(しょうこつ)とは文字通りかかとの骨の事です。

 ジャンプ動作の着地などの際に、この「踵骨」と「アキレス腱」は、衝撃の吸収の際に働き、足関節、ひざ関節へ影響を与えます。

 この踵骨がつぶれると衝撃の吸収力が弱くなり、アキレス腱へのダメージも大きくなります。

 このように、踵骨とアキレス腱は双方が関与しあう関係にあるのです。

◆アキレス腱に腫れが見られる・アキレス腱周囲全体に痛みがあるケース

 アキレス腱周囲全体に痛みが確認されるケースでは、アキレス腱周囲炎もしくは踵骨骨端症を発症している可能性が検討されます。

 この場合は、成長期の子供である場合は成長痛の可能性もあるため、慎重に診断を行うことが大切です。

 またアキレス腱に癒着が見られる場合は、他の疾患を合併症として発症している可能性も見極めていかなくてはいけません。

 アキレス腱断裂を発症すると縫合手術を行うケースもありますが、この際に腱の癒着が確認されるケースも実は多くあります。

◆アキレス腱の構成・しくみ

 アキレス腱は、人体で最も太い腱組織です。

 このアキレス腱は、踵骨上端部からはじまり、中間で
●下腿三頭筋(かたいさんとうきん)
 と呼ばれる筋肉へつながっていきます。

 ふくらはぎの、ふっくらとしたふくらみを持つ筋肉が「ひふく筋」と呼ばれる筋肉。

 そして、その内部に位置する筋肉がヒラメ筋です。

 ヒラメ筋は、その見た目が魚のヒラメのように平べったい構造をしていることからその名称がつけられております。

 ひふく筋はつま先を伸ばした際に、ふくらはぎ部分にもっこりと形状を現す皮膚のすぐ下にある筋肉で、目視においてもその動きが確認できます。

 この下腿三頭筋とアキレス腱は繋がっており、膝関節へつながる構造をしております。

【踵全体が痛い】

 あるくだけでかかと全体が痛い場合や、歩くとギシギシする感覚を体感している場合は、アキレス腱に炎症を発症しているケースや踵骨骨端症などの可能性も考えていかなくてはいけません。

 20代を過ぎるとアキレス腱自体の柔軟性も低下してくる為、日々のストレッチ予防なども必要となってきます。

 アキレス腱と踵は密接に繋がっているため、どちらかが痛む場合は双方の障害の可能性を同時に検討していくことが重要となってきます。

 難しいケースとしては成長期の子供などでアキレス腱周囲炎を発症しているケースです。

 この場合は成長痛との分別とアイシングによる炎症の緩和、また抗炎症剤を使用する痛みの緩和処置が必要となってくるケースも出てきます。

◆運動前のストレッチングを確実に行うこと

 アキレス腱の治療期間、リハビリ期間は積極的な運動を行うことはできません。

 また、ある程度回復した後であっても再発の予防を行うことが大切。

 再発の予防として最も重要なことは、運動前のストレッチングを確実に行うこと。

 本来アキレス腱と呼ばれる腱組織は人体で最大の腱であり、最も強靭な腱組織である。

 このアキレス腱に障害が発症するケースでは、柔軟性の低下が大きな要因となっていると考えられております。

 その為、運動開始前のストレッチングはもちろんのこと、日常生活の範囲でも習慣的にアキレス腱のストレッチを取り入れていく必要があると言えるでしょう。

 また、実践競技に復帰する際は装具などの利用も検討していく必要があります。

 装具にはサポーターやアンクルタイプのものがあります。

◆アキレス腱のサポーターやアンクルなどの装具の利用

 リハビリ期間中や、競技へ復帰する際などにアキレス腱のサポーターやアンクルなどの装具の利用は効果的です。

 装具の効果は、アキレス腱周りに密着することで、腱の動きに制限を加え、かつ筋肉の補助的な効果も発揮しアキレス腱を保護します。

 アンクルなどを使用する場合は、かかとの上部からふくらはぎ裏側にある盛り上がりのある2つの筋肉(ひふくきん)下部までをしっかりサポートしているものを選ぶことが重要です。

 かかと部分は制限がないものが良いでしょう。

 腱の付着部はかかとの踵骨(しょうこつ)と呼ばれる骨の最上端部分です。

 足関節の構造は複雑な靭帯組織が絡み合い底屈と呼ばれる動作を可能にしております。

 サポーターなどと同様の効果が期待できるものとしてはテーピングを行う方法があります。

 しかしテーピングは毎回施術する手間もあり、また何よりも費用が馬鹿にならないので十分に検討の上、予防対策を行っていきましょう。

◆バスケ選手に多い試合後の痛みと疲労の蓄積

 バスケットボール選手が最も多く発症する怪我は突き指です。

 そして2番目は捻挫。

 しかしアキレス腱痛も多くのバスケットボール選手が一度は経験すると言われるほど多くの発症事例をもつ怪我のひとつです。

 但しアキレス腱の痛みを訴えてくるケースの大半は小学生の後半以降である程度の体重や筋力が身につきはじめた年齢です。

 痛みの原因として考えられるのは、やはりオーバーユース系のいわゆる使いすぎと呼ばれるものが最たる原因と言えるでしょう。

 激しい大会が数日続いたケースや、合宿などでトレーニングをハードに継続して行い十分に回復がなされない状態で練習が再開され疲労がアキレス腱に蓄積していくようなケースです。

 繰り返し、「走る」「跳ぶ」を繰り返すバスケットボールでは、常にアキレス腱に大きな負荷を与え続けていることにもなります。

 またアキレス腱は人体におけるバネの役割も果たしている為、着地の衝撃が大きくなるにつれて負担も大きくなり、同様に反発も強くなります。

 高く飛ぶ際は深く沈みこむ姿勢をとりますが、これらは人体各地のバネとなる腱を総動員して跳ぼうとしている本能的な行動であると言われます。

 これは小さな子供でも飛ぼうとする際に小さくかがみこむことからも、アキレス腱にバネが入っていることを本能的に知っていると理解してもよいでしょう。

 同様に、たくさんのジャンプ動作や腱のバネ作用を繰り返し利用するスポーツ競技をしている場合はバスケットボールアスリートに限らずに同様の痛みを経験する可能性があることの証ともいえます。

●バレーボール
●ハンドボール
●バドミントン
●テニス
●サッカー
●フットサル

 これらの競技もジャンプ動作やダッシュ動作が頻繁に繰り返される競技であり、腱に疲労が蓄積しやすいスポーツ競技であると言えます。

◆アキレス腱の疲労回復に役立つサプリメント

 アキレス腱痛などで何度も悩んでいるスポーツ選手は一度、疲労回復を考えた「栄養学」について学習しておくことが後々のスポーツ人生にとって優位に働くことになるでしょう。

 よく牛のかかと部分にはコラーゲンがたっぷりと含まれている。

 と言いますが、コラーゲンを摂取することで人体内のアキレス腱が再生されるという事はありません。

 コラーゲンは確かに重要な栄養素のひとつではありますが、毎日コラーゲンたっぷりの食事を摂取するよりも効果的疲労回復方法があります。

 この疲労回復に役立つ栄養成分が「クエン酸」と呼ばれる成分です。

 レモンは酸っぱいですね。ライムも同様に酸っぱい食品です。

 日本食の食卓に昔は日本では必ず並んでいたと言われる梅干。

 これも酸っぱい食品の代表ですね。

 これらの酸味をもついわゆる味覚として「酸っぱい」とイメージさせるような食品には多くのクエン酸が含まれている傾向にあります。

 このクエン酸は体内に「乳酸」と呼ばれる疲労物質を溜め込みにくくする働きをもっていることで有名な成分です。

 乳酸はエネルギー代謝の代謝後に発生する産物で、この乳酸濃度が高まると運動能力は確実に低下します。

 かといって乳酸は悪いものではありません。

 乳酸はエネルギー代謝の過程で産まれる産物です。

 いわゆる廃棄物のようなイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、この乳酸は再度運動のエネルギーとして利用されるリサイクル成分でもあるのです。

 もし乳酸が生成されなければ長時間の運動は難しくなるとも言えるでしょう。

 クエン酸はこの体内に蓄積された乳酸を再度エネルギーとして効率的に燃焼させる際に不可欠な成分です。

 ですからクエン酸が体内に豊富に準備されている選手は、エネルギー代謝が活発となり、かつ疲労物質を体内に蓄積しにくい体を維持することができるのです。

 自己管理もスポーツアスリートの大切な課題ですから、栄養の知識はしっかり確認しておくと良いでしょう。

【クエン酸を多く含む食品】
●レモン
●ライム
●梅干
●みかん
●パイナップル
●イチゴ
●グレープフルーツ
●キウイ
●カボス
●りんご

【クエン酸の調理方法】

 クエン酸は熱に弱い為、加熱処理を行うとクエン酸含有量が激減してしまいます。

 目的が疲労回復でありクエン酸を必要する場合であれば、加熱調理をせずに例えばレモンのマリネ風などにしあげると良いでしょう。

 また抗酸化作用もあるので食品が傷みにくいという特徴もあります。

◆長期リハビリが必要となるケース

 アキレス腱の縫合手術を行なった場合は手術後にリハビリテーションを開始することになります。

 手術後の予後の経過が良い状態の場合は、手術の後1週間程度で軽いリハビリを開始できる状態にまで回復します。

 しかし、炎症などがあり予後の経過が良くない場合は、ギプスなどによる装具固定でしっかりと患部が付着するまでリハビリを開始することはできません。

 尚、リハビリの開始が遅くなるほど筋力の低下は進む為、長期間休んだ場合は、その分より長い時間をかけてじっくりとリハビリを行なっていく必要があります。

◆リハビリ中に痛みを生じる場合

 リハビリを開始した際に開始直後に痛みを感じるような場合は、リハビリの開始時期を遅らせた方が無難です。

 痛みの原因が何なのか?

 手術による患部の切開による痛みであるのか?それとも炎症が発症しているのか?を見極めていかなくてはいけません。

 但し、基本的にリハビリは軽い痛みを伴うものである点も覚えておく必要があります。

 リハビリは手術や入院によって失われる筋力を少しでも食い止め現場への復帰をスムーズに行う為に行なう復帰の準備にあたるトレーニングがリハビリテーションです。

 あまりにも優しいメニューの継続ではいけませんし、ハードすぎるリハビリテーションは障害の再発を招く原因とも成りかねません。

 リハビリ期間中は、作業療法士と相談を重ねながら一歩ずつ焦らずに治療を行なっていく心構えを患者自身が持つことが大切です。

◆再断裂の発症確率

 アキレス腱断裂の治療において最も難しい点は再断裂の可能性が非常に高い傾向にある点です。

 アキレス腱の手術からリハビリ。リハビリから現場への復帰までの期間はおおよそ一ヶ月程度です。

 しかしこの一ヶ月というのは完治を意味しているのではなく、日常生活レベルの活動に戻っても問題ない程度の回復であると理解すべきです。

 実際にアキレス腱断裂を一度発症した場合、同一部位を再度断裂してしまうケースも多くあります。

 再断裂を発症したケースのおよそ30~40%程度は前回のアキレス腱断裂時から計算して3ヶ月以内であると言われております。

 再発の可能性が高く、尚かつ3ヶ月以内に多く再断裂を発症する可能性がある点はしっかりと認識しておく必要があるでしょう。